家族を大切にすることです

「日本には結構長くいます。この3月で30年になりますね。

初めて来たときは学生でした。おじさんが印刷屋で、高校のころバイトをしていたんですけど、今は印刷関係の仕事をしています。

パキスタンには両親が亡くなってからもう4年帰っていないね。それまでは毎年帰っていたかな。」

「日本はアジアで一番街に清潔感がある。

あとは優しい、というよりマナーがある。勉強になりましたね。

何時に起きて、仕事に行ってっていうルーティンがしっかりしているし、まじめで親切。

こういう日本人の生き方ってイスラム教の教えとすごく似ています。

豚肉とか、神を信じることとかじゃなくて。"清潔感"ってイスラム教の教えの半分くらいなんです。体もだし、心の清潔感も。

だから一日に5回お祈りして、常に清潔感を保ちます。

あとは感謝して寝ることもそう。寝る前に一日のことに感謝するんです。」

ーイスラム教の大切な考え方は他に何がありますか？

「家族を大切にすることです。家族を大事にして絶対に捨てません。

イスラムで一番の挨拶は『ご飯を食べた？』って聞くことなんです。

だから人と会ったらまず一緒にご飯を食べて、命と命を繋げてから話すんです。」

「今日は代々木上原のモスクからの帰り道なんです。

2人がイスラム教に入信したのでちょっとしたパーティがあって。一人はパキスタン人と結婚した日本人の女性でね。

今1万人くらいの日本人がイスラム教に入っているんです。五反田に日本ムスリム協会の新しい協会ができたしね。」

（中延）