走ってたら夜が明けてきたんです。


「世界一周を経て
 一番印象に残ってるのはイラン国境です。
 トルコからバスに乗って行くんですけど、
 トルコのバスがすごく適当で、
 途中で下ろされるんですよ、いつも。
 いつもは2kmくらいなのに、
 今回俺はイラン国境から
 50kmくらい手前で降ろされたんだよ。
 もう何も出来ないと思って、
 朝2時、真っ暗、
 ちょっと寒いみたいな。
 どうしようと思ってヒッチハイクしたら、
 1時間くらい経って通った
 トラックの運転手が乗せてくれて、
 そのまま二人で走っていったんですけど…。

 走ってたら夜が明けてきたんです。
 二人とも英語出来ないんで、
 タバコを吸っているわけですよ。
 赤丸を。
 そしたら運転手がいきなり、
 『アラッラ』って言うんですよ。
 そしたら太陽が
 向こう側の地平線から上がって来て、
 アララト山が見えて、
 それがイラン国境だったんです。
 感動して、涙ほろりしそうになりました。」



(10/7/2013 早稲田)


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